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越境EC概論

最近、中国市場に対する越境ECのプロジェクトについて学ぶ機会があったので、概論的にまとめてみました。

1)大多数を占める一般的な越境ECのパターン:

大きく3つのタイプ(A、B、C)に分けました。

タイプA:
もっとも一般的な仕組みです。ECサイトと決済サービスを中国外で行うので、物流業者に郵便局を使えば、中国通関当局は把握が難しくなります。但し、中国ではVISAやPAYPALで決済できる人は多くありません。海外にある決済代行業者を通してALIPAYやUNIONPAYなどの決済を行う場合にも、ECサイトは海外の代行業者のサイトとの接続を行いますので、このタイプに含まれます。

タイプB:
ECサイトは海外に置きますが、決済にAlipayなど中国内で普及している決済サービスを利用します。図では決済サービスは中国内にありますし、実際にその通りなのですが、海外にあるAlipay等の決済代行業者のサーバー(中国外)を介する事で、全体の仕組みが容易になります。中国内の決済サービスを利用すると、通関当局は購入者の特定と購入金額の把握が容易になります。

タイプC:
もっとも簡単な仕組みです。ECサイトはタオバオ等の中国内にあるECサイト(既製のECモール・サイト)を利用します。ECサイトから決済への接続は、モール業者側が接続サービスを用意しています。中国政府が推進している越境EC方式がこれであり、輸入される商品や個人情報まで通関当局が把握する事ができます。また、顧客や売れ筋商品等の情報がモール業者へダダ漏れになるという欠点があります。

 

2)跨境EC総合試験区を介したパターン:

中国通関当局は、越境ECによる個人輸入の急増に危機感を抱いているようで、1人あたり年間2万元の輸入枠を決めました。これでタイプAとBの個人輸入を減らして、タイプCへ絞り込みたいという意向があるようですが、全ての販売業者がタオバオ等の既成モールを受け入れられる訳ではありません。自社のECサイトで販売したい場合には、跨境EC総合試験区の中にECサイトを置いて、自分で販売する事ができます。

この仕組の特徴は、中国政府が定めた跨境EC総合試験区で輸入された商品を、区内の物流業者と通関当局のシステムを接続させて、迅速な通関業務を行う事ができるという事です。

2107年2月の現在、7箇所(上海、蘇州、杭州、寧波、広州、深圳、重慶)でこの仕組が行われています。

上記の2つの図で、上はECサイトが跨境EC総合試験区内にあり、これが標準型です。但し、中国内でECサイトを立ち上げる場合、ICPライセンスというものを政府から取得しなければいけません。外資の独資企業でこれを取得するのはほぼ困難と言われています。自分のECサイトを立ち上げる為には、中国企業のパートナーを代理に立てる必要がありますが、商権や商標を持ち逃げされるリスクがあります。

下の図はECサイトを海外に置いた例です。この方法は商権や商標を現地パートナーに盗られるリクスはありませんが、今のところ杭州だけで実施可能なようです。

以上

参考文献:
1)跨境电子商务综合试验区
2)第二批跨境电商综合试验区政策详解

 

 

 

サーバー仮想化への道(3):Proxmox VE

vSphere EXSiをフォーマットした物理サーバーへ、次に導入したのはProxmox VEという仮想化プラットフォームです。(作業は昨年11月頃に行いました)Proxmox VEは弊社のセブにある関連会社で5年前から利用しており、国慶節休みでセブオフィスを訪問した際に、インストールイメージを入手しておりました。

Proxmox VEもUSB接続のDVD ROMドライブから容易にインストールできました。また、使い方はざっくりとセブのオフィスで習得していたので、ゲストOSの導入も簡単でした。Proxmox VEは、無料にしては優れたGUI管理画面をウェブ接続で提供しています。CPUなどのハードウェアの設定も容易ですし、ゲストOSのスナップショットをバックアップする機能も標準で持っています。但し、外付けUSB HDDを利用するには、Linux画面での作業が必要で、これはリモートでセブの技術者にやってもらいました。

Proxmox VEは、1つの会社に複数の物理サーバーによるProxmox環境を設置しても、それぞれのサーバーの管理画面へはIPアドレス+ポート番号のURLでアクセスするので、複数のProxmox環境があっても容易にアクセスできます。

但し、いくつかの問題を感じました。まず、物理サーバーの資源をけっこう食うようです。試した3つの仮想環境の中では、いちばん重いと感じました。ゲストOSが重いので、メモリやCPUのCoreを増やしても、目に見えるようなパフォーマンスの改善がありませんでした。それと、止まっているゲストOSを起動する時が不安定で、管理画面から何度もStartボタンを押す必要があったり、起動中のゲストOSが勝手に終了してしまったり、という事が頻繁にありました。ログインした後のゲストOSが勝手に終了する事はありませんでしたが。。。

Proxmox VEを4ヶ月ほど運用してわかったメリットとデメリットを列挙します。まずはメリットから。
1)インストールと初期設定が簡単。
2)ウェブ版の管理画面はGUIが装備されマルチ言語化されており使いやすい。
3)USBデバイスを使える。(但しLinux画面でマニュアル設定が必要)
4)バックアップ機能の設定も管理画面から行う事ができる。
5)複数のProxmoxサーバーの管理画面へのアクセスが容易。

デメリットは:
1)無料で使えるのは1ユーザーだけで、2ユーザー以上は有償となる。
2)Proxmox VEが物理サーバーの資源をけっこう食うので重い。
3)ウェブ管理画面が今ひとつ不安定。
4)知っている技術者が少ない。

そういう訳で、不安定なところはあるものの、Proxmox VEの物理サーバーを2台、テスト中を継続中です。

以上