ホーム > ブログ

生産管理システムの設計(2)簡単なシステム構成

前記事では、工場における生産指示から完成品入庫までの生産管理の流れについて概要を説明しました。では、実際にシステムとして設計する場合には、どのようなシステム構成になるのでしょうか。

簡単なシステム構成から、だんだん複雑で多機能な構成を説明する事で、生産管理システムの理解を深めたいと思います。まずは、最も単純なシステム構成だとどのようになるのかを検討します。

 

多くの小零細規模の工場では、受注に基づく出荷計画は作りますが、生産管理課で生産計画をつくりません。当然、生産指示もありません。ではどのようにしているかというと、出荷計画と倉庫の材料の有無をもとに、製造課が自律的に超短期の製造計画を連続して作成してゆく事で、結果として納期に間に合うように管理しているようです。このような工場で、業務改善(業務の正規化)をまったく行わずに、システムが生産に対応する場合には、このような極めて単純なシステム構成にする事で、導入時の諸問題を回避する事が可能と思われます。

このシステム構成では、生産の上流にあたる生産指示の管理は行わず、製造ラインの最終工程が終了し、品質検査が終わり、倉庫へ入庫する時に、入庫数量ベースで完成品の在庫をシステム計上すると同時に、材料在庫を倉庫から領料(在庫の引き落とし)を行います。

領料の数量は、システムがBOM展開して自動的に理論消費数量を計算して計上します。これは材料の投入ベースではなく完成品の倉庫入庫ベースなので、当然ながら在庫誤差が生まれます。

また、本来は製造開始時に製造ラインへ投入されている材料が、システム的には完成品入庫時まで「倉庫に存在」する事になります。本来の出庫とシステム上の出庫・消費のタイミングに差があるので、月末棚卸し時には明白なシステム構成上の在庫誤差となります。

 

システム導入前に生産指示の概念が無い工場でも、1日(あるいは1ヶ月)の生産品目数と生産数量が少ない工場では、生産管理課へ生産指示(生管から製造へ発注する)を導入する事は比較的容易です。このような条件の工場では、いきなり完成品入庫とするのではなく、生産管理の後で完成品入庫とする事で、少なくとも生産指示(製造への注文数)とそのざっくりとした進捗状況が把握できるようになります。

但し、月末在庫における誤差の問題は、このシステム構成では解決できません。

生産管理課へ「生産指示」の概念を導入可能で、月末の棚卸し時のシステム構成上の在庫誤差を無くしたい(より少なくしたい)場合の、簡単なシステム構成がこれです。弊社が一昨年に開発した管理生産管理システム(SPMシステム)も、このシステム構成でした。

この構成は、生産指示の入力により、倉庫から理論所要量をBOM展開により計算して、倉庫から製造ライン(という名の倉庫コード)へ材料を倉庫間転送します。こうする事で、製造ラインを1つの倉庫と見立てて、そこにある材料と半製品をすべて、材料としてシステム的に在庫管理する事ができます。

完成品入庫の入力時に行う領料(材料の消費)は、倉庫からではなく、製造ライン(という名の倉庫コード)から行います。月末棚卸し時には、製造ライン上の仕掛品・半製品をすべて材料へ分解し、ライン上の材料在庫を加えた数量でシステムへ月末棚卸しを行う事で、システム構成が原因の在庫誤差はほぼ無くなります。

以上、最も単純はシステム構成について検討してみました。

Leave a Reply