中国へ展開する効率的ビジネスモデル(1)

アゴラの小谷まなぶ氏によれば、今年の秋口から中国進出案件が一気に増えるのではないかと感じているそうです。確かに現在、国内市場は停滞しており、欧米市場も不安定です。効率よく利益を得られる可能性がある市場は、高度成長期を迎えた中国しかありません。国内のメーカーやサービス業で、海外展開の余力がある企業は、早急に中国市場への展開を開始するべきです。

ところで中国政府は、海外へ出てゆく外貨について、今でも厳しく規制しています。中国で稼いだ人民元を、どうやって効率よく日本へ持ち帰るか、なるべく長期的に安全(合法)なしくみを最初に構築しておかないと、あとから大変困った事になるでしょう。

少し具体的に説明すると、中国の企業が(購入代金や特許料などを)海外送金する為には、外貨管理局が管理する特別な外貨口座を開設して、送金目的や金額を外貨管理局へ申請し、政府による承認が必要です。なぜ海外へ送金するのか、その合理性を立証するには、そもそも論として、会社設立時に記載する営業許可証の内容、海外仕入先との関係、海外から購入しなければならない必然性などを、「全体的なしくみ」の中で合理的に設計しておくべきです。

下記の図は弊社で深圳に会社設立した経験をもとに、それを日本からの投資という視点に焼きなおして、なるべく税金を(中国と日本の税務署へ)支払わずに、安全(合法)かつ効率よく中国内で人民元であげた利益を日本へ回収するビジネスモデルの一例を挙げてみました。

日本から中国への投資というと、中国本社を北京や上海に置く事が多いかと思いますが、私はあえて、香港+深圳で提案します。その理由は下記の通りです。

1)世界展開の中での中国進出と考えるべきです。その場合、海外統括会社を香港へ置く事には、戦略的に大きな利用価値があります。
2)香港はタックスヘイブン(法人税率が17%前後)であるにも関らず、2010年4月に日本と租税条約を締結しましたので、海外統括会社は合算課税の対象外になります。
3)香港で設立された企業は、CEPA(中国本土・香港経済連携緊密化取決め)により、通常の外資企業より認可される営業許可証の範囲が広い。
4)深圳も北京政府の直轄都市の一つであり、外資が中国展開する際の規制緩和(北京市や上海市ほどではないが)の恩恵を得やすい。
5)深圳市政府は香港経済との一体性を認識しており、市内には多数の香港資本の企業がある事から、香港本社への送金時に、政府機関との交渉が比較的容易です。

このような理由から、中国へ展開する場合には下記の手順で展開する事が効率的ではないかと考えます。
1)香港で海外統括会社を設立。
2)香港で海外統括会社が資本出資した香港本社を設立。
3)香港本社が全額出資して深圳に中国本社を設立。
4)中国本社の利益の一部を増資にまわして、中国内での展開を促進する。

本件のより詳しい内容をお知りになりたい方は、(こちら)へお問い合わせ下さい。