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中国ビジネス相談室(2)人民元外注費を香港で払いたい

【相談者】弊社は東莞で、電子部品の組み立て工場(独資形態の進料加工工場)を経営しています。東莞へ工場進出したのは、中国ワーカーの低い賃金が理由でした。ところが最近、工場ワーカーの最低賃金がどんどん上昇して人件費がかさみ、利益が圧迫されて工場経営が難しくなっています。ところで中国人が経営する個人企業のような零細工場では、最低賃金やその他の労働法を遵守せず、かなり低い人件費で生産していると聞いています。そこで弊社の加工工程の一部を、そのような中国人経営の零細工場へ外注する事で、製造原価を下げる事を検討しています。見積もりを取ったある中国人工場の経営者から、彼が香港に持っている会社へ香港ドルで支払えば、中国内で発票(税務署が発行する領収書)を発行しなくても良いので、更に安くすると言われました。非常に魅力的なオファーなのですが、このような事は可能でしょうか?

【回答】中国の法律を守らないという前提に立てば、このような外注工場を使い、香港で支払う事は、短期的には実現可能と思われますが、中長期的には中国の通関当局に発覚して高額の罰金を科せられる可能性が高いので止めるべきと考えます。では、どんな問題があるかを見てみましょう。

1)保税管理の問題
御社の東莞工場は材料を保税で輸入して加工する事を通関当局から許可されています。しかしながらB社は現地の零細工場なので、そのような許可は当然の事ながら受けていないものと考えます。故に、保税管理の対象である御社の半製品をB社へ移動する事は、通関ルールに違反するものと考えます。

2)みえない材料の問題
B社が自分で調達した材料を、御社の半製品に追加すると、通関当局から「見えない」材料が御社の製品に付加される事になります。そのような「みえない材料」が、保税対象である製品に付加される事は、通関ルールに違反すると考えます。

3)脱税の問題
中国内で行うB社への外注作業(役務)の対価を、B社の中国工場をスキップして香港で支払う事は、税務ルールに違反すると考えます。

注意:この記事の相談内容はフィクションであり、相談者も実在しません。

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