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中国ビジネス相談室(4)現物出資した機械の減価償却

【相談者】弊社はパソコン用の特殊な成型部品を製造する工場です。今度、東莞市へ2つ目の工場を独資で設立します。工場の資本金として1億円が必要なのですが、日本の工場で使い古した製造機械を何台か化粧直しして、8000万円で現物出資をする予定です。これらの機械は、まずは香港の現地法人が日本本社から(本社からのファイナンスで)買取り、それを東莞の工場へ現物出資する流れです。ところで最近ある知人から、香港で出る利益を圧縮するために、現物出資した製造機械の減価償却を香港で出来るという話を聞きましたが本当でしょうか。

【回答】香港の現地法人が生産機械を中国の工場へ、現物出資したのであれ無償貸与したのであれ、香港側で減価償却を経費計上する事は認められません。機械を中国工場へ無償貸与した場合、会計ルール上は問題なさそうですが、香港の税務署(IRD)は「条例」により例外なく認めていません。

ところで香港の現地法人は、日本本社から購入する製造機械の代金を、借入金により手当てするとの事ですが、これは2006年以降、非常にマズい方法となっています。現在の中国通関ルールは利益移転を防止する為に、香港の現地法人が、中国工場から客先へ転廠(輸出ではない!)した製品に「利益」を上乗せする事を禁止しています。違反が通関当局に見つかると、場合によっては工場の総経理が逮捕され、巨額の罰金を課され、工場は倒産の危機を迎えます。返済完了までの長期に渡る違法な運用を前提として会社設立する事は、経営者として合理的な判断とはいえません。

ちなみに、日本本社が香港の現地法人に対して増資を行い、そのお金で本社から製造機械を購入して、中国工場へ現物出資すれば、香港の現地法人は借入金が発生しませんので、上記の構造的な問題も生じないものと考えます。ただし、8000万円の現金を社内で調達できない場合には、日本本社が外部から借り入れする事になり不便です。そこで、製造機械を日本本社から香港の現地法人へ現物出資して、更に香港法人が中国工場へ現物出資できれば便利なので、この方法も検討に値すると思われます。

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