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Articles from July 2010



中国へ展開する効率的ビジネスモデル(2)

世界展開を前提とした中国進出を前提とする事、日本から中国への直接投資ではなく、香港に海外統括会社を置いて、そこから中国へ投資する事の、税制面でのメリットを前項で説明しました。 本稿は前項と同じ図を用いて、ソフト開発会社が、中国で開発したパッケージソフトを大陸で販売し、その利益を(税制面で)効率良く香港側(すなわち日本本社)へ回収する事を目的としたビジネスモデルを、応用例として紹介します。 モノの輸出入を伴わない、サービス業務における購入代金の海外送金は、一般的に言って中国政府から承認が下りにくく、難しいと言われています。弊社では、下記の「しくみ」によって、この壁を乗り越えました。 1)香港本社が中国内にソフト開発の子会社を設立し、開発されたソフトを買い上げ、このソフトのライセンスを香港本社の所有資産とする。 2)香港本社は、深圳へ全額出資子会社の中国本社を設立する。設立時に、工商局と国税局に対して、香港本社のソフトウェアを中国で販売して利益を得る事を十分に説明して了解を得る。 3)深圳の中国本社が、中国内の客先からソフトウェアを受注したら、下記のように契約書を作成して政府機関と銀行から承認の判子を(契約書に)もらう。 ソフトウェアの通常の販売と、月額使用料方式(ASPあるいはSaaSと呼ばれる販売形態)、またはコンサルテーション等のサービス料金を、中国本社から香港本社へ、契約書(B)の内容に従って合法的に外貨送金する事ができます。

中国へ展開する効率的ビジネスモデル(1)

アゴラの小谷まなぶ氏によれば、今年の秋口から中国進出案件が一気に増えるのではないかと感じているそうです。確かに現在、国内市場は停滞しており、欧米市場も不安定です。効率よく利益を得られる可能性がある市場は、高度成長期を迎えた中国しかありません。国内のメーカーやサービス業で、海外展開の余力がある企業は、早急に中国市場への展開を開始するべきです。 ところで中国政府は、海外へ出てゆく外貨について、今でも厳しく規制しています。中国で稼いだ人民元を、どうやって効率よく日本へ持ち帰るか、なるべく長期的に安全(合法)なしくみを最初に構築しておかないと、あとから大変困った事になるでしょう。 少し具体的に説明すると、中国の企業が(購入代金や特許料などを)海外送金する為には、外貨管理局が管理する特別な外貨口座を開設して、送金目的や金額を外貨管理局へ申請し、政府による承認が必要です。なぜ海外へ送金するのか、その合理性を立証するには、そもそも論として、会社設立時に記載する営業許可証の内容、海外仕入先との関係、海外から購入しなければならない必然性などを、「全体的なしくみ」の中で合理的に設計しておくべきです。 下記の図は弊社で深圳に会社設立した経験をもとに、それを日本からの投資という視点に焼きなおして、なるべく税金を(中国と日本の税務署へ)支払わずに、安全(合法)かつ効率よく中国内で人民元であげた利益を日本へ回収するビジネスモデルの一例を挙げてみました。 日本から中国への投資というと、中国本社を北京や上海に置く事が多いかと思いますが、私はあえて、香港+深圳で提案します。その理由は下記の通りです。 1)世界展開の中での中国進出と考えるべきです。その場合、海外統括会社を香港へ置く事には、戦略的に大きな利用価値があります。 2)香港はタックスヘイブン(法人税率が17%前後)であるにも関らず、2010年4月に日本と租税条約を締結しましたので、海外統括会社は合算課税の対象外になります。 3)香港で設立された企業は、CEPA(中国本土・香港経済連携緊密化取決め)により、通常の外資企業より認可される営業許可証の範囲が広い。 4)深圳も北京政府の直轄都市の一つであり、外資が中国展開する際の規制緩和(北京市や上海市ほどではないが)の恩恵を得やすい。 5)深圳市政府は香港経済との一体性を認識しており、市内には多数の香港資本の企業がある事から、香港本社への送金時に、政府機関との交渉が比較的容易です。 このような理由から、中国へ展開する場合には下記の手順で展開する事が効率的ではないかと考えます。 1)香港で海外統括会社を設立。 2)香港で海外統括会社が資本出資した香港本社を設立。 3)香港本社が全額出資して深圳に中国本社を設立。 4)中国本社の利益の一部を増資にまわして、中国内での展開を促進する。 本件のより詳しい内容をお知りになりたい方は、(こちら)へお問い合わせ下さい。